オオカミ御曹司に捕獲されました
『クズ』って……。

詩織ちゃん、その目がお兄さんにソックリだよ。

毒舌は血筋なのだろうか?

詩織ちゃん怒らせないように気を付けよう。

「ねえ、お兄さんには婚約者とかいないの?」

微かな望みを抱いて詩織ちゃんに聞くが、彼女は首を横に振った。

「いませんわ。うちは両親が大恋愛の末に結婚したので、恋愛は自由なんですの」

「そうなんだ」

……なんだ、がっかり。

婚約者がいて早く結婚してくれれば、私に構うこともなくなるって思ったのにな。

普通、御曹司にはいるじゃない、婚約者。

社長、杉本君にいい縁談勧めて下さい。

「これからもその調子でお兄様を困らせて下さいね。見物ですわ」
< 143 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop