オオカミ御曹司に捕獲されました
ひょっとしたら私……死ぬかもしれない。

そんな考えが頭を過る。

それなのに、私が心配したのは糠床。

どうしよう?

糠床かき混ぜる人いなくなっちゃうな。

地面に落ちた時の衝撃に備えて目を閉じる。

「梨花!」

慌てたような杉本君の声が聞こえたけど、気のせいだと思った。

その次の瞬間にはガシャンっと何かが壊れる音がして……。

多少の痛みは感じたものの、私が落ちたのは地面ではなかった。

誰かに抱き止められてそのまま地面に転がって、ハッと目を開けると……。

「杉本君?」

私は杉本君の腕の中にいた。

「うっ……」

杉本君が目を閉じたまま顔をしかめる。

ええ~‼
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