オオカミ御曹司に捕獲されました
私……あろうことか杉本君を下敷きにしてるよ!

彼に助けられた?

私達の周囲には杉本君のノートパソコンや書類、バッグやお弁当箱が散乱していた。

「……梨花、大丈夫?」

杉本君が心配そうな顔で声をかけ、私を抱いたままゆっくりと起き上がる。

「う……痛て……」

どこか怪我をしたのか、杉本君は眉をしかめた。

私は落ちた衝撃を感じた程度。

痛みよりはショックの方が大きい。

心臓がバクバクいっている。

「私は大丈夫だけど……杉本君、大丈夫?」

「……良かった。梨花が階段のてっぺんから落ちてきたからビックリしたよ」

杉本君が安心したのかハーっと息を吐く。
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