オオカミ御曹司に捕獲されました
私……呪われてる?

私がボーッと突っ立っているのを不思議に思ったのか、後ろにいた杉本君が私の肩にポンと手を置いた。

「どうしたの?」

「ひょえ~‼」

突然肩に手を置かれ驚いた私は、奇声を上げながら飛び上がる。

いきなり私に触れないでくれますか、杉本君?

ビックリするじゃないの‼

「その反応……霊でも見えた?」

「……そうだね。邪悪なものに取りつかれたのかも」

杉本君という悪魔にね。

「俺がいるから大丈夫だよ。ほら、鍵貸して」

杉本君は私の手から鍵を奪う。

「あっ……」

私が呆気に取られている間に、杉本君は左手でガチャッと鍵を開けると私の手に鍵を返した。
< 159 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop