オオカミ御曹司に捕獲されました
「さあ、どうぞ」

杉本君がドアを開け、笑顔で私に中に入るよう促す。

『どうぞ』って……ここ、私の家なんですけど。

「どうも」

苦笑しながら中に入り、二人とも靴を脱いで部屋に上がる。

1Kのこの部屋は入ってすぐキッチンがあって、右手にユニットバス、キッチンの奥が6畳の部屋という間取り。

若い子の一人暮らしの部屋なんてこんなもんだけど、杉本君の家は違う。

狭くてビックリしてるんじゃないだろうか?

キッチンを通って部屋に行くが、どこに杉本君を座らせていいのか迷ってしまった。

右手にはベッドがあるし、空いたスペースには小さなアイボリー色のテーブルが置いてある。
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