オオカミ御曹司に捕獲されました
兄妹っていいな。

そう言えば、私も昔お兄ちゃん欲しかった。

「そうかな?憎らしい妹って普段思ってるけど」

「そう笑いながら言えるってのがうらやましいかな。私は一人っ子だし」

「俺と結婚すれば、妹も出来るよ」

杉本君がさらっと言って、悪魔な笑みを浮かべる。

冗談キツイ。

何て返していいかわからなくて、顔がガチガチに固まってしまったじゃないですか。

「……そのジョーク、笑えないから」

「俺は至極本気だけど」

じっと私を見つめる杉本君。

「……ちょっとお茶入れるから待ってて」

話の方向がおかしな方向に進んでいくので、私は杉本君から逃げるようにキッチンに向かう。
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