オオカミ御曹司に捕獲されました
やるならもう仕掛けてくるはずだけど、杉本君にその様子はない。
「梨花、どうしたの?手が止まってるけど」
固まっている私に杉本君がクスリと笑いながら声をかける。
「だ……大丈夫だよ。大丈夫」
私は杉本君にというよりは自分に言い聞かせる。
落ち着け、私。
たかがネクタイではないか。
ネクタイの結び目をほどこうとするが、手が震える。
本人がやれば数秒で終わる動作を、杉本君に「ほら、ここからほどいて」とアドバイスを受けながら一分近くかけてほどく。
づ~か~れ~た~。
ネクタイほどくのってこんな疲れるもの?
息が上がってるし、額からどっと汗が出た。
「杉本君、もたついちゃってごめんね」
「梨花、どうしたの?手が止まってるけど」
固まっている私に杉本君がクスリと笑いながら声をかける。
「だ……大丈夫だよ。大丈夫」
私は杉本君にというよりは自分に言い聞かせる。
落ち着け、私。
たかがネクタイではないか。
ネクタイの結び目をほどこうとするが、手が震える。
本人がやれば数秒で終わる動作を、杉本君に「ほら、ここからほどいて」とアドバイスを受けながら一分近くかけてほどく。
づ~か~れ~た~。
ネクタイほどくのってこんな疲れるもの?
息が上がってるし、額からどっと汗が出た。
「杉本君、もたついちゃってごめんね」