オオカミ御曹司に捕獲されました
後ずさりしようとすると、杉本君がそれを察したのか、悪魔のように笑って言った。

「梨花、シャツのボタンがまだなんだけど」

ええ~‼

シャツのボタンなんて無理無理。

「……そこもですか?」

青ざめた顔で杉本君に確認する。

「あ~、人差し指が痛いなあ」

私の顔をチラチラ見ながら杉本君がわざとらしく顔をしかめる。

「……やります。やらせて頂きます」

ハーッと溜め息をつきながら渋々杉本君のシャツに手を伸ばす。

え~と、ボタンは全部で……一、二、三、……げ、全部で七個。

七個もあるの~?

これは……かなり難航作業だよ。
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