オオカミ御曹司に捕獲されました
思わずカッとなって言い返すが、ハッと我に返って慌てて口を押さえた。

ああ……どうしよう。あの杉本君に何言ってんの私。

言ってしまった言葉はもう取り消せない。

私って馬鹿。

杉本君に逆らったらどうなるかわからないのに……。

「からかうつもりはなかったんだ。ごめんね」

クスッと笑いながら杉本君は謝るが、どこか不気味な感じがしてならない。

一刻も早くこの場から去りたい。

「ごめんなさい。ごめんなさい。許して」

何度も何度もペコペコと頭を下げて杉本君から離れようとするが、再び彼にガシッと腕を捕まれた。

「何で五十嵐さんが謝るの?俺達かなり注目浴びちゃったし、出ようか」
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