オオカミ御曹司に捕獲されました
自分でメガネを外した記憶がない。

メガネをテーブルに置いてくれたのも、こタオルケットかけてくれたのも杉本君なんだろうな。

テーブルの上のメガネを取ってかける。

チラリと壁時計に目をやれば、時刻は六時十分。

嘘!私……杉本君がシャワー浴びに行った後ずっと寝てたの?

……一体何しにここに来たんだ、私。

役に立たない女って杉本君に呆れられるよ。

どうする、私?

頬を両手で押さえ顔面蒼白になっているところに、息急ききって杉本君が現れた。

「梨花、どうした?」

グレーのTシャツに綿のパンツとラフな格好をした杉本君が、スタスタと私のところにやって来て私の肩にポンと手を置いた。

「叫び声がしたけど大丈夫?悪い夢でも見た?」
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