オオカミ御曹司に捕獲されました
「髪の毛はねてるって思って」

杉本君と思うから身構えちゃうんだ。

子犬と思えば可愛いんじゃないだろうか。

「ああ。昨日ちゃんと乾かさなかったからだな」

杉本君が照れ笑いする。

それって……私が寝ちゃったからじゃあ。

両手使えないと、ドライヤー使ってブローしにくいはず。

「ごめんなさい。私が寝ちゃったからだよね?」

慌てて謝ると、杉本君は首を横に振った。

「謝ることないよ。昨日はいろいろあったしね。それより、もう髪に触ってくれないの?」

杉本君の期待の眼差し。

今日は彼が可愛いワンコに見える。

手を伸ばして杉本君の髪に触れると、彼の髪は柔らかくて触ってて気持ち良かった。
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