オオカミ御曹司に捕獲されました

そんな私の様子を至近距離で見ていた杉本君がニヤリとしながらポツリと呟く。

「むしろ、これで警戒心を解くなら好都合」

「え？何？聞き取れなかった」

「梨花に触られるの気持ちがいいよって言ったんだよ。それより、お腹空かない？」

「そう言えば……」

杉本君に言われてグウとお腹が鳴る。

「週に二回家政婦さんが来てくれて適当に食材買って来てくれるんだけど、食パンとかでいい？」

「私が作るよ。そのためにここにいるんだし、昨日ちょっとキッチン見たんだけど、レトルトのご飯もあるよね？杉本君はパンとご飯だったらどっちがいい？」

「いつも朝食パンだったから手間でなければご飯にしようかな」