オオカミ御曹司に捕獲されました
「俺だけど。詩織の使ってるブティック教えてくれる?ん?……ああ、理由は後で話すよ。うん、青山ね。ありがと」

優しい微笑を浮かべ杉本君が電話を切る。

『詩織』って誰だろう?

かなり親しげに話してたけど。

ジーッと杉本君の顔を見ていると、彼は私に向かってにっこり微笑んだ。

「俺の妹なんだ」

……そう言えば妹さんいたっけ。

「五十嵐さんは同期会はいいの?」

「ははは……ああいう集まりは苦手で」

私は杉本君の問いに笑って誤魔化す。

漫画読むために欠席したなんて言えない。
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