オオカミ御曹司に捕獲されました
「梨花、私の携帯でこのハンサムさんとの写真を撮ってくれないかい?」

そう言って梨花のおばあさんがバッグから真っ赤なガラケーを取り出す。

「おばあちゃん、何言ってるの!恥ずかしいから止めてよ!」

梨花が唖然とした顔でおばあさんを止めに入る。

「いいよ、梨花」

俺はソファーの横に立つと、少し屈んで梨花のおばあさんに顔を寄せた。

「ほら、梨花撮って」

笑顔で梨花に声をかけると、彼女は「おばあちゃん、一枚だけよ」っと念押ししておばあさんの携帯を手にして写真を撮る。

「おばあちゃん、これでいいでしょう?」

梨花が携帯を操作して画像をおばあさんに見せると、おばあさんは破顔した。
< 216 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop