オオカミ御曹司に捕獲されました
14、気持ちを自覚する
「梨花、ちょっと社長に呼ばれたから、さっきの打合せの内容で書類修正しといてくれる?」

杉本君が席を立ち、私の肩に手を置いて声をかける。

「……あっ、うん」

メールを読んでる振りをしながら考え事をしていた私は、突然声をかけられ上手く返事が出来なかった。

でも、杉本君は気にする事なくスタスタと歩き去る。

週末はずっと動揺しっぱなしだった私。

いや、あのカフェで杉本君のトラブルに巻き込まれて以来ずっと動揺してるのだけど、おばあちゃんのいる老人ホームに行った先週末から杉本君がいるとすごくドキドキする。

杉本君を盗み見る回数も増えて……。

前みたいに怖いからって言うんじゃなくて、彼が凄くキラキラして見えるのだ。

杉本君が格好いいのは昔からわかってる。
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