オオカミ御曹司に捕獲されました
絵里ちゃんが大声出すから課のみんなが聞き耳立ててるんですけど……。

「絵里ちゃん、私仕事が溜まってて……」

何とか絵里ちゃんの追及から逃れようとするが、彼女は引いてくれない。

「さっきボーッとしてたのは誰?」

絵里ちゃんの冷たい視線が私に突き刺さる。

「……私はただお世話してるだけだよ」

周囲に聞こえないように小声で呟く。

だが、私の答えに納得しなかった絵里ちゃんは、私に顔を近づけて迫った。

「その答え。意味わかんない。寝たの?寝てないの?」

「絵里ちゃん、怖いよ。そりゃあ、睡眠くらい誰だって取るでしょう?寝なかったら体調壊すよ」

絵里ちゃんに怯えながらそう答えると、絵里ちゃんは「はあ?」っとガン付ける不良のような怖い声を上げた。
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