オオカミ御曹司に捕獲されました
杉本君……ここで爆弾投下してすぐに居なくならないでよ~!

この場をどうすればいいの~!

「り~ん~か~!」

絵里ちゃんが私の両肩に手を置き強く揺さぶる。

「絵里ちゃん、ちょっと止めてよ。頭がぐらぐらする」

私は椅子の上で揺れながら絵里ちゃんに抗議する。

「黙んなさい!うらやましい奴め。私にも幸せわけろ~!」

「篠原、煩い!用がないなら総務に戻れ!」

ずっと静観していた江口課長は我慢の限界だったのか、厳しい口調で絵里ちゃんを一喝する。

「江口課長、そんな怖い顔しないで下さいよ」

絵里ちゃんは江口課長に怒られても反省した様子は見せず、ニコニコ顔で彼の席に向かう。

どうやらターゲットが変わったらしい。

「今日こそ飲みに行きませんかあ?私、江口課長のために夜空けてあるんです」
< 260 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop