オオカミ御曹司に捕獲されました
杉本君は私に何も心配いらないって言ってたし、もう安心だと思う。

彼女の件は、これで終わったのだ。

江口課長に一礼すると席に戻る。

それから、仕事を終え、スーパーに寄ってから杉本君のマンションに帰った。

杉本君には一人で帰る時もタクシーを使うように言われたけど、今日は電車に乗った。

今の生活に慣れすぎてはいけない。

毎日タクシーで帰るほど、私は裕福ではないのだ。

この生活は一時的なものだし、私がいる世界は杉本君とは別の世界なんだから。

杉本君の家に着いて、キッチンで一人夕食の準備をしていると、彼が帰ってきていつものように背後から私を抱き締めた。

ドキッとする私の身体。

「ただいま。今日は何作ってんの?」
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