オオカミ御曹司に捕獲されました
『あ……』

俺の顔を見てギョッとした顔をしていたが、『おはよう』と俺が声をかけると、彼女はうつ向きながら『おはようございます』と小声で挨拶を返した。

いつもこんな早い時間に会社に出てきてるのだろうか。

彼女は俺と目を合わせることもなくすぐにゴミを片付けると、そそくさと自分の席に戻り何事もなかったかのように書類の整理を始めた。

彼女が小人だったのか。

その後も少し早めに出社すると、彼女が一人オフィスにいて優しい笑みを浮かべながら『お前、もうすぐ咲きそうだね』と植木に語りかけながら水をやっていて、そんな彼女を見て心が温かくなった。

天使の微笑みってこういうのを言うんじゃないだろうか。
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