オオカミ御曹司に捕獲されました
俺の身の回りの世話のため同居した梨花の方は、少しずつではあるが打ち解けてきた。

家に帰ると仕事以外の話もするようになったし、家で一緒に過ごしている時の俺達の距離も縮まってきている。

うちに来た時は俺とは一メートルは離れてテレビを観ていたのに、今では俺の隣が指定席のようになっている。

それに、観覧車に乗った日から、梨花はかなり俺を意識するようになった。

ちょくちょく俺の事を見ているし、俺が梨花に顔を近づけると決まって頬を赤く染める。

その梨花は、今は俺の隣にはいなくて、座敷内を動き回りながらみんなの御用聞き。

それは新人の仕事じゃないか……って言いたくなるが、これが梨花の性分なのだから仕方がない。
< 271 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop