オオカミ御曹司に捕獲されました
「私、こういう雰囲気初めてですわ。焼き肉は匂いが気になりますけど、こういうのもいいかもしれませんね」

どこでも上から目線の妹は、俺の右隣でビールをゴクッと飲む。

一見、お酒なんて全く飲めませんって顔してるのに、こいつは大酒飲みだ。

いくら飲んでも平然とした顔をしている。

「こら新人、何のんびり酒飲んでる?お前も梨花を手伝って来たら?」

課で一番の新入りのくせに一番えらそうに振る舞うな。

俺は妹に冷ややかな視線を向けた。

「お兄様、人には向き不向きがありますのよ。私が手伝っては却って迷惑になりますわ」

自分の事は良くわかっているのだろう。

だが、このままではお前を貰ってくれる男なんて現れないぞ。
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