オオカミ御曹司に捕獲されました
16、家族が増える
「う……ん」

寝返りを打つと何か温かい物体にぶつかり、私はそれまで見ていた夢から覚めて目を開けた。

「嘘……」

思わず呟くと、慌てて口を押さえ、目の前にいる杉本君の顔をガン見する。

だが、杉本君が起きる様子はない。

何でまた杉本君の腕の中?

まだ夢でも見てるのだろうか?

焼肉屋にいたはずなのに、何で私は杉本君と同じベッドで寝ているのだろう。

これって……ミモザを飲んだ夜と同じ展開じゃないの‼

そう言えば同じ課の男の子に、『ビール飲んで下さいよ』って勧められて、その場のノリに逆らえず一気飲みするはめになったんだよね。
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