オオカミ御曹司に捕獲されました

私を気遣って、江口社長が優しい言葉をかける。

それから、みんなで雑談しながら鱧料理に舌鼓を打った。

鱧なんて高級食材食べるのは初めてだったけど、とても淡白でさっぱりしてて、夏食べるにはピッタリ。

鯛めしと赤だしを頂いた後、急に社長が真剣な面持ちで言った。

「私がこの場を設けたのは、本当はある家族が一つになる瞬間を見たかったからなんだ。
さあ、江口社長」

社長が江口社長の肩にポンと手を置くと、江口社長は社長に礼を言い、私をじっと見据えた。

「突然こんな事を言われて戸惑うかもしれない。だが、どうしても自分の責任は果たしたくてね」

江口社長が申し訳なさそうな顔をして言葉を切る。

一体何の事だろう？

キョトンとしながら江口社長の言葉を待つと、彼は緊張した面持ちで言った。