オオカミ御曹司に捕獲されました
私が杉本君のためにご飯を作るのは、きっとこれが最後だろうな。

そう考えると、何だか悲しい気持ちになる。

後片付けを素早く済ませると、自分の寝室に向かった。

ドアを開けて寝室に入る。

寝具以外はほとんど何も置いてない殺風景な部屋。

杉本君は『自由に使ってくれればいいよ』って言ったけど、私は必要最低限の物しか置かなかった。

一ヶ月経ったら出ていくのがわかってたから。

クローゼットを開けると、スーツケースと中に入っていた洋服を取り出して一枚一枚畳む。

その中には杉本君が買ってくれたピンクのワンピースもあって、私の手は止まってしまった。

あのカフェでの出来事がなければ、私達はただの同僚でいられたのに……。

杉本君の事を好きになる事なんてなかったはず……。
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