オオカミ御曹司に捕獲されました
「神様って結構酷いよね……」

私はピンクのワンピースを握り締める。

胸が締め付けられるように痛い。

もう杉本君の側にはいられない。

来週の月曜になったら、江口課長……兄にお願いして杉本君のサポート役を外してもらおう。

涙がスーッと頬を伝る。

この切ない感情をどうしていいのかわからない。

止めようと思っても涙が止まらなくなって、私はワンピースを抱き締め泣きじゃくった。

「何俺のいないとこで泣いてんの?」

不意に背後から杉本君の声がしてハッと顔を上げる。

まだ十一時過ぎのはず……。

何で杉本君がいるの?

私が驚いていると、杉本君私の正面に回り込み、私の頬に触れて涙を拭う。
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