オオカミ御曹司に捕獲されました
この抱き枕がよほど気持ち良かったらしい。

手を伸ばして五十嵐さんの額に手を当てるが、熱はない。

とりあえず熱が下がって良かった。

「こんなすやすや眠ってて……危機感ないのか?」

五十嵐さんの寝顔を見て半ば呆れ顔で苦笑する。

無邪気な寝顔。

こんなに無防備で眠られると、悪さしたくなるんだよね。

それに……オスの本能とも言うべきか、自分だけのものにしたくなる。

俺は五十嵐さんの首筋に顔を近づけ、ゆっくりと口付ける。

「うう……ん」

俺のキスに、五十嵐さんの身体がビクンとなる。

彼女の首筋には俺がつけたキスマークがくっきりついていた。

「朝起きた時に発狂しなきゃいいけど」

俺は五十嵐さんの反応を想像し、一人ほくそ笑んだ。
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