Rain Days
大丈夫、何もなかったじゃない。

なんて自分に言い聞かせながら、表に出さないように装う。

玄関まで戻ると、変な緊張感から解放され、疲れだけが残った。


「あおい、ビビってたでしょ」

「ヒデが変なこと言うからでしょ」


ヒデはクスクスッと、笑みを零す。

ムカつく男だ。


「おい!」


いきなり声がし、ビクッと肩が上がる。

誰?

瞬時に隣にいたヒデのことを見たが、ヒデは首を横に振った。

聞き間違い?

でも、ヒデにも聞こえてたわけだし。


「おい!」


再び、同じ声が聞こえた。


「ヒデ、じゃないよね?」

「俺の声じゃねぇだろ」


ですよね。

じゃ、誰の声よ!!

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