Rain Days
今すぐ逃げ出したい衝動に駆られたが、何も出来ない。

あたしは、ヒデの制服を掴む。


「ビビってる?」

「ヒデこそ」

「お化けなんて居ねぇんだろ」


そう言うヒデも、心なしか焦って居るような気がする。

もう、ホント頼りにならないんだから!!


「おい、ヒデ!!」

「お化けがヒデのこと呼んでる」


ヒデと言う名が出たことで、お化けじゃないことは確かだ。

それに、ホッと心の中で安堵のため息をついた。

耳をすませば、こちらに向かって来る足跡が2つ。


「お前、電話くらい出ろよ」


薄暗い灯りに照らされ、やっと見えた人影。


「竜也に、弘文。どした?」

「どうしたじゃねぇよ、ったく」


2人は呆れた顔をしながら、盛大なため息を零した。

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