Rain Days
「ヒデ」


歩みを進めたヒデのことを、あたしは呼び止める。


「大丈夫?」

「行けって言ったじゃん」


それは、そうだけど。

ヒデは、行きたくないの?

行きたくないなら、行かなきゃ良いじゃん。


「ヒデ、頼むよ」


言いたいことや、聞きたいことはまだあった。

だけど、竜也の言葉にヒデは再び歩みを進めた。

弘文と並んで歩くヒデの背中が、助けを求めているように感じた。

だからヒデのことを引き留めようと思い、後を追おうとしたが、竜也によって阻止される。


「余計なこと、しないでくれ」


あたしは竜也のことを睨み付ける。


「ヒデ、嫌がってる」

「わかってる」


わかってる?

なら、どうして頼むの?

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