拝啓、天国の君へ
「ホントはホラーがよかったけど、さすがに初めて一緒に出かけるのにゾンビとか出てくる映画はちょっとナイなと思って・・・」


口を尖らせて言ってみた


「ははっ!何それ。気にしないのに・・・」


と見たことのない笑顔で笑った


その笑顔には喜びと少しの切なさが混ざっていたような気がした。


そんな気がしただけ。


「じゃあさ、今度は映画観る時は山本君の好きなの観よう!」


自分でも何を言っているのか分からなかった


これはお詫びなんだから今度なんて無いのに・・・!


でも頭で考えるよりも先に口から飛び出していた


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