国王陛下の独占愛

   「陛下、今日は......」


 そこまで言うと、ソリは目を伏せた。


   「今日は、なんだ?」


 ともすれば口を噤んでしまいたくなるのを、ソリは必死で我慢した。

   「今日は......陛下にお願いがあります」


 ソリの言葉を聞き、セヴェリがうれしそうに顔をほころばせる。


   「欲しいものが見つかったか? ソリ、お前は欲がなさすぎる、
    よく私に仕えてくれる礼だ、なんでも言ってみるがいい」


 すぐには言葉が続かなかった。

 ソリは硬い表情を訝しんで、セヴェリが顔を覗き込む。


   「......城を出ることをお許しください。できればしばらくは
    お茶を煎れることも休みたいのです」





 セヴェリは自分の耳がおかしくなったのかと思った。


   「城を出たいというのか?」

   「はい」

   「駄目だ!」


 荒げた声でセヴェリが言う。


   「駄目だ!それは許さない」


 

 
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