国王陛下の独占愛
「誰だ!」
セヴェリがそう鋭く言い、トゥーレが持っていた剣に手をかける。
カーテンの向こうから現れたのはニクラスだった。
「ごめんなさい兄上、さっき僕が入ってきたとき、兄上は着替えを
されていて気がつかれなくって......それで.....あの、ソリが
ベルススにいるのですか?」
ニクラスの問いにセヴェリは眉をひそめた。
「聞いていたのか」
「はい」
「ソリがベルススにいることは、誰にも話すな」
「わかりました、でも、なぜソリがベルススにいるんです」
「お前が知らなくてもよいことだ」
「兄上は......ソリに会うべきです」
「黙れ」
そうセヴェリは言ったが、ニクラスは引き下がらなかった。
「兄上はソリに会ってきてください、砦には僕がむかいます。
兄上は遅れてきてもだいじょうぶです」
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次の日、マントを深くかぶったニクラスがセヴェリのかわりに馬車に
乗り込むのを見送って、セヴェリはトゥーレとともに町にむかった。
ソリの泊まった宿屋では、もうソリは宿をでたあとで、二人は馬車の乗合所に
向かった。