国王陛下の独占愛

 ベルススからソリを連れて帰ったセヴェリはクルトゥームの孫娘であり
 60年前と同じように国を救ったソリを王妃に迎えると宣言した。

 そのことに貴族たちは反対したが、今回ムスカの砦で何があり、国を救った
 のが誰かを知った国民達が、強くセヴェリを支持した。

 セヴェリはもう躊躇しなかった。

 貴族達を黙らせ、セヴェリはソリを王妃に迎えた。


       *
       *
       *
       *



 そして王妃となったソリは前と変わらず、国王にお茶を煎れる。


   「パルヴォがいうように、王妃を迎えた今、次に皆が期待するのは
    世継ぎの誕生だろうな」


 そう言って、セヴェリは赤くなったソリの頬に手を添えた。

 やわらく頬をなで、頬にかかっていたソリの髪を耳にかけると
 そのまま耳の後ろをから首筋に指を這わせる。

 そしてソリの耳元に口を寄せて囁いた。


   「愛している」


 


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