国王陛下の独占愛
午後のお茶の時間にそなえて、足早に城へ向かうソリは
新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込みながら考えた。
今日のお茶には、氣を込めてみよう。
祖父が言ったように、今日の大気はよく整っている。
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そのお茶を一口飲んだセヴェリはなにか大きな流れが、自分の中に
流れ込んだよう感じた。
「今日のお茶はいつもと違うな」
「わかりますか?」
ソリはセヴェリが、敏感に気の流れを感じ取ったことに驚いた。
セヴェリの手を取り、脈を確かめる。
力強い拍が、ソリの指に伝わった。
ソリは満足して微笑んだ。
「とても良い状態です、短期間のうちにこんなに身体が
整うとは」
「やはり器が違うのだ」
いつもの尊大な様子でセヴェリがそういうのを聞いて、ソリはこっそりと
苦笑した。
「陛下が私の話をよく聞いて、生活を改められたのも大きいと
思います。お酒もあまり召し上がれていないのでしょう」
「だが、酒を飲む楽しみもまた、捨てがたいものだ」
「少しならかまいません、以前のように深酒をするのでなければ」
「そうだな......」