国王陛下の独占愛
セヴェリは最初に会った時、ソリに説教をくらったことを思い出した。
そして今、自分はおとなしくソリの言うことを聞いて、ソリの言う通りに
している。
母親の言うことを聞く、聞き分けの良い子供のように。
それで身体の調子が良いのだから、それで良いはずだ。
だが、セヴェリはなぜか面白くないと感じた。
気がつけば、まったく何もかもがソリの言う通りではないか。
持ち前の年端のいかぬ子供のような利かん気が、むくむくとセヴェリの
心の中に湧き上がる。
「だが、酒を止められたことで、寝つきが悪くなった」
本当は、寝つきは悪くないが、セヴェリはさも困ったという風に
そう言うと、わざとらしくため息をついてみせた。
「寝つき悪いのですか?」
「そうだ、酒が睡眠薬代わりだったからな」
セヴェリの言葉を聞いて、ソリは考え込んだ。
「お酒に頼るのは良くないと思います。寝つきを良くする
お茶を飲まれた方が......」
「そうか、それならそうしよう」
ソリの言葉をみなまで聞かず、セヴェリは早口で言う。
「これからは夜も来てお茶を煎れるのだ、寝つきが悪くなったのは
そなたが酒を止めたせいだからな。
早速、今晩からだ。」