国王陛下の独占愛
「テヨリ河にかかる橋の修繕にさらに200キーカロの木材と
50キーカロの石材の追加の申請だ。
だが少し、多すぎるとは思わんか」
書類をしかめ面で見ながら、セヴェリがソリに言う。
「......」
だが、ソリの返事はなく、そのことを訝しんで、セヴェリは書類から
顔をあげた。
ソリはセヴェリの声が聞こえなかったのか、じっと煮立てている
薬湯を見ている。
セヴェリは再び声をかけた。
「どうしたのだ?お前が返事をせんとはめずらしい、いつも何かしら
明確な返事をよこすのに」
「えっ、あっ、はい、すみません」
ソリは慌てて返事をし、セヴェリを見た。
セヴェリは、可笑しがるような目で、ソリを見ている。
ソリはさっと目を逸らした。
できたお茶をカップに注ぎ、セヴェリに差し出す。
椅子の背に深く身を預けると、セヴェリはカップのお茶を味わった。