国王陛下の独占愛

   「どうだ、私の言ったとうりだろう」


 セヴェリが自慢げにそう言うのを聞き、ソリは尋ねた。


   「黒い鶏の方が大きかったのに、なぜ、赤茶の方だと
    思ったのですか?」


 ソリの問いに、セヴェリは中央のかごの上に乗せられた赤茶の鶏 
 を見やった。


   「確かに赤茶の鶏は小さいし、傷も多い。
    だが、傷が多いのは、今まで何回も戦ってきたという事だ。
    だからあいつは皆の前にだされても、落ち着いていた」


 頷いたソリに、セヴェリはにっと口角を上げると、さらに言った。


   「人と同じ、見かけで判断してはいけないということだ。
    まるで、私のことだな。」


 最後の一言にソリは唖然としてセヴェリを見たが、これ以上はないと
 いうほど得意げな顔をしたセヴェリの顔を見て、ぷっと吹き出した。


   「笑ったな」


 そうセヴェリが言い、ソリの頭を小突く。

 ソリは笑いを収めようとしたがうまくいかなかった。

 ソリがくっくっと肩を震わせて笑うのを見ていたセヴェリが言う。


   「やっと笑ったな、ここのところずっと浮かない顔をしていた。
    少しは気晴らしになったか」


 
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