国王陛下の独占愛
「どうだい、言ったとおりだろう、ソリのパルカは絶品だって。」
女将が大きな声で言い、腰に手をあてると、つんと胸をそびやかせて見せた。
「ああ、うまかった。」
「あんた見かけない顔だけど、この辺の者かい?」
そう問いかけた女将にセヴェリはふっと片頬だけをゆがめて笑うと
「いや違う」
と答えた。
「そうかい、でもまあ、またソリのペルカを食べにおいでよ。
遠方からでも来る価値があるってもんだ。
わたしゃ厨房の片付けがあるから、ソリ、
お代をもらっておいておくれ。」
女将は上機嫌でそうまくしたてると、厨房の方へと去っていった。
テーブルに近づいてきたソリが食べ終わった食器をかたずけながら
「気に入ってもらえたならよかったわ、お茶の効能で、
胃も軽く感じるはずよ
お代は60ペイソです」
と言った。
「ああ、お茶もありがたかった」
そう言いながら、懐をさぐっていたセヴェリの手が止まる。