国王陛下の独占愛
しばらくソリの手をなめていたシルバーが、ピクリと耳を動かすと
顔をあげた。
そして身体の向きを変え、祖父クルトの部屋の方へ歩き出す。
そして数歩歩くと、シルバーはソリを振り返った。
「わかったわ、お祖父様が呼んでいるのね」
ベッドに横になったクルトは、ソリと同じ、薄い藤色の瞳で孫娘を見つめた。
「ソリ......何を......悩んでいる......のか......話してごらん」
祖父の言葉に、ソリは静かに目を伏せた。
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語り終えたソリを静かに見やると、クルトは言った。
「”眼”の魔術を......」
「”眼”ですか」
”眼”の魔術とは、ある特定の人物の気を捉え、
その者の見ているものを同じように見ることができる術だ。
「相手について......知ることがふえれば......手を打つ方法も......わかる」
クルトの言葉にソリは頷いた。