国王陛下の独占愛
「休んでよいと言ったのに来たのか」
寝室に入ったところで、セヴェリにそう声をかけられて、ソリは
”はい”と返事をすると俯いた。
午後いっぱい休んだおかげで、身体の疲れは軽くなった。
昨晩、気を走らせすぎたのがいけなかったのだ。
術がもう少しのところでとけてしまったことを思い出し、ソリはぎゅと
唇を噛んだ。
そんなソリの様子を見ていたセヴェリはふっと息を吐くと、ソファに腰掛け言った。
「体調がすぐれず、身体が重くて仕方ないというようなときに飲むお茶を
煎れてもらおうか。どうだ、今、お前はそんな風ではないか」
その言葉を聞いて、怪訝そうな顔をむけたソリにさらに、セヴェリが言う。
「今日は自分の為にお茶をいれよ」
「ですが......」
「命令だ」
言い出したら聞かないと言った顔でセヴェリが自分を見ているのを見て
ソリは小さくため息をつく。
「わかりました」
薬草を煮立て、自分のために煎れたお茶をソリが飲むのを見ながら
セヴェリは、今日視察した近衛隊のことについて話していた。
セヴェリの話を聞きながら、ソリは眠気が自分の身体を包んでいくのを
感じていた。
自分が思っているよりも、身体も心も疲れていたらしい。
しかし、ここで眠るわけにはいかない。
座っているソファに身体がずるずると沈み込んでいってしまいそうになる
のを感じたソリは慌てて立ち上がった。