国王陛下の独占愛
そんなに長い時間、ソリは眠ったわけではなかった。
はっと目をさますと、ベッドの側で自分を見つめているセヴェリの
顔があった。
まわりを見回し、自分がセヴェリのベッドに寝かされていたことに気づくと
ソリは慌てておきあがった。
すぐにベッドを降りようとするが、
「まだ、休んでいるんだ」
とセヴェリの手が止める。
「明日の朝まででも構わない」
セヴェリの言葉とベッドの上で軽く覆い被さられているこの状態に
ソリの胸の鼓動は急に早くなった。
はっとセヴェリの顔を見たソリは、そこに思ったよりも真面目な顔でソリを
見つめるセヴェリの顔を見て目を見開いた。
絶対いつものように、片頬を歪めたからかう顔をしていると思ったのに......。
セヴェリの瞳はやさしくソリをみている。
その瞳に愛しさが込められているような気がする。
そんなはずがないのに......。
このままでいたら、身の内に湧き上がる自分の中の熱に、我を忘れてしまいそうで
ソリは両手でセヴェリの身体をおすと、大きな声をだした。
「からかわないで下さい!」
そんなソリにセヴェリは驚いた顔をしたが、無言ですぐに身体をどかした。
ソリは素早くベッドをおりる。
セヴェリの視線を感じながらも、ソリは大急ぎでテーブルの上を片付けると
逃げるように部屋をでた。