国王陛下の独占愛
陽の光が窓から差し込む明るい部屋で、セヴェリはソリの祖父
クルトに会った。
ひじょうに高齢なクルトは、鶴のように痩せ細り、ベッドに横に
なったままだったが、ソリと同じ薄い藤色の瞳は、静かに澄み切っていて
相手に畏敬の念を抱かせた。
セヴェリの話を聞き終えたクルトはゆっくりと頷いた。
「陛下の......仰せのまま......に」
王城で絶大な権力を持つザクラスが相手だとすれば、ここにいる限り
安全とは言えないだろう。
セヴェリはソリの祖父を自分が信頼するもののいる安全な場所へ
移すことに決めた。
本来ならば、ソリも同じところに匿うべきだった。
だが、セヴェリはソリを遠くにやることができないでいた。
ソリは王城に、自分の手元に。
「本当ならば、ソリと一緒の方がいいだろうが......」
そう言うセヴェリにクルトは柔らかく微笑んだ。
「いや、あの子には......あの子の.......務めが......ありましょう」