国王陛下の独占愛

 お茶を煎れるために、セヴェリの寝室を訪れたソリは
 贈り物は十分です、と告げた。


   「しかし、家族と離れさみしい思いをしていると
    思ってだな......」

   「ですが、毎日は多すぎます。」

   「そうか?」

   「はい、贈り物をするときは相手のことを考えるべきです
    贈りたいからといって、相手の都合も考えず送っても、相手に気持ち
    は通じません」


 セヴェリは考えこんだ。


   「では、ソリは何が欲しい?」

   「私はべつに欲しいものはありません」

   「ドレスはどうだ?たまには着飾ってみたらどうか」

   「結構です」

   「宝石の方がいいか」

   「陛下!そのような無駄遣いはおやめください」


 セヴェリはちょっとむっとした。

 ソリだって女だ。

 宝石やドレスを送ると言われて、なぜ喜ばぬ?

    
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