国王陛下の独占愛
「陛下に毒殺の危険があったことが、陛下の叔父上のパルス様の
耳にはいりまして、パルス様を中心とする方々が、再びお世継ぎの
ことを問題にされています」
執務室の机についたセヴェリにパルヴォが言う。
ネヴァド=ヴィラには二つの勢力がある。
一つは領相ザクラスを中心とした勢力。
彼らは、アミラ妃と親戚関係にあり、セヴェリよりもニクラスを王位に
つけたがっている。
それに対する勢力が、セヴェリを王にと望む一派だ。
セヴェリはこの一派と深くは関係を持たないように気をつけてはいるが、
セヴェリの叔父であるパルスは何かとセヴェリと繋がりを持とうとしていた。
そこで彼らがいつも持ち出すのが、お世継ぎ問題とお后選びだ。
セヴェリにまだお后がいないため、自分達の勢力の中からお后を選ばせたい
と考えている。
「王の身にはいつも危険がつきまとうが、お世継ぎを得られてこそ
王室は安泰するものだ、と仰られ、后選びを始められるようにと」
パルヴォの言葉にセヴェリはイライラと机を指で叩いた。