国王陛下の独占愛
ソリはゆっくりと微笑む。
「いいえ、大丈夫です」
そして、自分を落ち着かせるために、顔をあげて大きく息を吸った。
上げた顔の先にそびえ立つ王城の建物を見る。
セヴェリの近くに住むようになったのに、かえって前より隔たりを感じる
時がある。
自分は貴族でもなんでもない。
セヴェリは国王。
一杯のお茶を挟んで向かい合っている時はそれほど感じない距離を
今日にように、嫌という程思い知らされる時がある。
そしてそのことが、胸に尖ったものを差し込まれるように、苦しく
悲しい。
そしてその胸の痛みはいつまでも、消えてなくならなかった。