恋してセンセイ。




「 わかった。一緒にゆっくり家で過ごそう。ツリーは無いから買いに行くか! 」


あたしの心の声が届いたのか、
千紘の左手が、あたしの右手を優しく包み込むように手を握ると彼は微笑んだ。




大きなショッピングモールでツリーを買って帰る途中、あるスーパーの前で車が止まった。


「 ここの野菜、新鮮で超うまいから 」


店内に入ると、普通のスーパーとは違ってたくさんの野菜や果物が並べられてある。


簡単に言えば大きくて広い八百屋さん。

市場のようだ。


千紘は常連らしく一目散に目的の場所へ向かうと、ある商品を手に取った。


「 この人の野菜しか買わないんだよね。
直接、農家の人が売ってるから新鮮な物が買えるよ。綺帆も覚えといて 」



< 168 / 382 >

この作品をシェア

pagetop