恋してセンセイ。
今まで日本を離れて海外で住んでいた母。
でもあの事件を機に、日本に帰国しこの家で生活するようになった。
会議や打ち合わせなどがある度に各国に行き、用事を済ました後はすぐに帰国する。
あの日からあたしに気を使って、なるべく隣にいる時間を作ってくれるようになった。
幼い頃に味わえなかった愛情を今になって、実感することができている。
でもある日、メイド同士の会話を聞いてしまったんだ。
母があたしを妊娠した時、誰も祝福してくれなかったこと。
あたしの誕生を、花城の一族みんな、喜んでいなかったことを。