恋してセンセイ。




「 あっ、ごめんなさい。忙しいもんね…大丈夫だから!!……じゃあっ 」


「 …いいえ、行くわ 」


扉を開けて出ようとした時、
母は言った。


「 え…っ…、本当に? 」


「 ええ、来週のいつ? 」


「 月曜日… 」


「 日曜日まではニューヨーク支社で仕事だから、月曜の午後には帰ってこれるわ。空港からそのまま学校へ向かうことになると思うから 」


スケジュール帳のような手帳を見ながら
ペンで予定を書き込んでいく。


その手帳にあたしの名前を書かれることが何より嬉しかった。


「 ありがとう…、お母さんっ… 」


そう言うと、母は小さく笑みを浮かべて
頷いた。



< 265 / 382 >

この作品をシェア

pagetop