恋してセンセイ。




月曜日、三者面談当日の放課後。


「 よし、あとは綺帆だけだなっ 」


母の仕事の都合で1番最後にしてもらったあたしは、廊下で母の姿を待っていた。


そして前の人の面談が終わると
千紘と教室で2人っきりで待つ。


「 千紘、緊張してる? 」


書類をまとめたり、広げて確認したり
席を立ったりと落ち着きのない様子。


「 俺、教師だよな。彼氏としてじゃなくて、担任として会うんだもんな… 」


教師でもあり、彼氏でもある。


複雑な気持ちなんだろう。


「 この際に付き合ってるって、言っちゃおっか…? 」


あたしの出した提案に、千紘の固まった表情がより強張( こわば )る。



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