恋してセンセイ。




千紘の車で急いで病院に向かう。



これ以上、大切な人を失いなくない…

神様、お母さんを連れて行かないでっ…



窓越しから見える空に祈っていた、その時


不安と恐怖でどうにかなりそうなあたしの手を千紘が握った。


「 大丈夫。俺も一緒にいるから、な?」


「 そうだよねっ… 」


彼の大きな手を強く握り返す。



千紘がいてくれてよかった…



病院に着くと、真っ先に母の病室へ向かう。


入り口には警備のSPの人たちが構えていたため、すぐに部屋を探し出すことができた。



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